LPガス安心ガイド -LPガスについて-
LPガス基礎知識
LPガスとは
LPガスとは Liquefied(液化)Petroleum(石油)Gas(ガス)の頭文字をとった液化石油ガスの略称です。
一般的に家庭用ではプロパンガスが使用され、工業用ではブタンガスが使用されます。
LPガスの性質
LPガスは常温常圧では気体ですが、圧力を加えたり冷却すると液体になります。
液体にすると気体時の体積の約250分の1になるので輸送が容易になります。
LPガスは空気より重いので、ガスが漏れると床面など低いところに滞留します。
LPガスの特徴
LPガスは都市ガスの2~5倍、天然ガスの2~3倍の総熱量があります。
LPガスは石油や石炭に比べ燃焼時に酸性雨の原因になるSOx(硫黄酸化物)や
地球温暖化の原因といわれるCO2(二酸化炭素)の排出が少なく、クリーンなエネルギーです。
LPガスの豆知識
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なぜLPガスは臭うの?
「LPガスは、玉ねぎが腐ったような臭いがするので困る」と考える人もいます。
LPガスは、本来無臭なものですが、強制的に臭いをつけています。
この臭いづけのことを着臭といいます。
着臭の目的は、万が一、LPガスが大気中に漏れた場合、その濃度が1000分の1という微量なものでも、くさい臭いとして人が感知できるようにしたものです。 臭いが香水のように心地よいものだと人は危険と感じにくいので、わざとこのような不快な臭いにしているのです。
この臭いの成分は燃えると無臭になるので、LPガスが正しく使われている限り臭うことはありません。 LPガスと都市ガスの違いは?
都市ガスの主成分はメタンガスですが、熱量の安定をはかるため、ほとんどの都市ガスには少量のLPガスが混合されています。
都市ガスの多くは標準熱量が46.05MJ/m3(11,000kcal/m3)※1であり、LPガスの標準熱量は100.47MJ/m3(24,000kcal/m3)※2。LPガスの熱量は、都市ガスの熱量に比べなんと約2.2倍も大きいのです。
(※1・※2の出所:経済産業省資源エネルギー庁資料)LPガスはどこで採れるの?
我が国で使われているLPガスの約70%は海外からの輸入したもので、
残りの約30%は原油精製時及び化学製品の生産時に発生する国内生産分です。
輸入先は中東が全体の約8割を占めています。ガスもれ警報器の取付位置は?
LPガスは、空気より重い(空気の1.5~2倍)ので万一漏洩した場合、床面をはうように広がり、低い場所にたまる性質があります。
このことから、ガス漏れ警報器を床面から30cm以内の高さの所に取り付けておくと、爆発下限界濃度2.1%の約4分の1の0.5%で検知して警報を発します。
更に、連動式の場合には、同時にマイコンメータでガスを遮断します。
また、一酸化炭素を検知するCO警報器を天井付近に取り付けておくと、万一不完全燃焼を起こした時にマイコンメータに信号を送ってガスを遮断してくれるので安心です。 なお、都市ガス(13A)は空気より軽いという性質があるので、ガス漏れ警報器は天井付近に設置します。
災害に強いLPガス
LPガスが災害時に強いことは、1995年の阪神淡路大震災でも証明されました。
都市ガスのライン網が寸断された中、LPガスは新たにライフラインを確保し、都市ガスをバックアップしました。